ちいさなたまねぎさん

ちいさなたまねぎさん

 私がこの本と出会ったのは息子が幼稚同の頃だったと思います。
 幼稚園の頃の男の子は、特にスーパー戦隊ものが大好き。園ではヒーローごっこをして遊んでいました。そんな時に読み聞かせをして、一緒に楽しんだ思い出の一冊がこの本です。
 「ちいさなたまねぎさん」は、ごく普通の台所での事件のお話です。台所にいたジャガイモさんを、悪いネズミが頭からかじってしまいます。するとかじられてしまったジャガイモさんを、ニンジンさんとたまねぎさんがなぐさめ、キャベツさんが包帯をまいて優しく見守ります。そしてニンジンさん、たまねぎさんや食器たちが、ジャガイモさんの「かたき」を取ろうとします。一致団結して食器たちは、悪いネズミと戦いますが、戸惑ってしまい簡単にネズミにやられてしまいます。ネズミはいい気になり、ニンジンさんたちのこともかじろうとして歩き回ろうとします。そこにスーパーヒーローのたまねぎさんが立ち向かいます。悪いネズミはたまねぎさんのことも頭から「ガブリッ」とかじります。すると、たまねぎの汁で目をやられ涙が止まらなくなり、泣きながらネズミは退散するという痛決なストーリーです。
 友だちのジャガイモさんを守るため、悪いネズミの前に臆することもなく立ち向かったまねぎさんの姿が、とても格好良くヒーローそのもの。息子はとても気に入っていて、何度もせがまれて読んだ記憶があります。妹が生まれてからはお兄ちゃんとして、この本を読み聞かせてくれていた日が、今は懐かしく思い出されます。

松本 めぐみ(春友町)