今年度で閉校になる学校では、子供たちの思い出づくりと未来への願いを込めて各校で様々な閉校行事が行われてました。お伺いした西小沢小学校では、児童の手形で虹を作ったり、閉校式を彩る花の植栽などが行われていました。その中で目を引いたのは先生方が着ているおそろいのシャツ。背中に小学校の歴史が書いてあるのが目にとまりました。西小沢小学校は百年以上の歴史がある…? 決して古くない立派な校舎を見ながら「ほんとに?」と不思議に思い、シャツを制作なさった藤田先生にお話をうかがいました。
「この西小沢小学校に赴任してきて見た学校だよりに書いてあったんですよ。」
学校はその歴史を沿革史としてきちんと保管してあるとのこと、調べたご苦労を伺おうと思っていたのにあてがはずれました。ところが、「一番古いもので大正2年の写真があるんです」と校長先生のお言葉。しかもそれが隣の公民館に展示してあるとのこと。
写真展を企画したのは西小沢小閉校記念実行委員会。地域の人に呼び掛けてご自宅にある学校関連の写真も集めて一緒に展示していました。学校は、地域にとって学びだけでなくつながりや文化の中心として存在していました。この写真展は、この地域がコミュニティとしての力を今も持ち続けている証です。
3月25日夜には、幸久小学校・西小沢小学校それぞれで花火の打ち上げが開催され、西小沢小学校のグラウンドには、願いを書いたランタンを手にした子供たちを含め、多くの地域の方たちが集まっていました。遠く幸久小学校で花火が打ち上げられる様子がここからでも見え、そして幸久小学校のグラウンドでも、西小沢小学校の花火を見ることができたことでしょう。ランタン越しに広がる鮮やかな花火はこれからを象徴しているようでした。
[取材] 塩原慶子